みなさん、こんにちは。
いよいよみかん作りのシーズンが始まりました。今年は、4月上旬から雨、日照不足が続き、どうなることかと思いましたが、みかんの樹はいつも変わらず新芽を出すものですね。
今回はみかん作りについて、少し解説していきたいと思います。
まずは、みかんの農業経営の目標についてです。
みかん栽培においては、まず「連年結果」を目指すことが非常に重要ですね。
「連年結果」というのは、つまり「隔年結果」をなくすということ。簡単に言うと、裏年とか表年とかが関係なく、毎年同じようになることが大事です。
これは、経営的な側面から、そう思います。中には、わざと隔年結果する性質を利用して栽培されている方もいらっしゃいます。たしかに、沢山ならせて着果負担を掛ける方が、美味しくて品質の良いみかんがなりやすくなります。これはこれで、一つの方法ですよね。
でも、これは農業経営的には、2年に1回しか収入が入ってこないわけで、天候リスクも高く、ベストなやり方だとは思いません。やはり、毎年同じように収穫できるのが一番です。
また、連年結果しても収量が低ければ意味はありません。ずばり、収量は10a当り5トンの連年結果を目標とすべきです。もちろん、品種による差異もありますし、圃場の条件や栽培体系によっても違います。しかし、いずれの方法でも成木であれば、このくらいの収量は確保したいものです。
そして、最後に品質です。最近は、甘いお菓子やジュースなど、果物に代わる美味しいデザートが山ほどありますね。つまり、うまくないみかんは、安くても売れない時代なのです。味を良くすること。これが、経営目標としてどうしても大切になります。
これは、サンビオティック農業に取り組んでいらっしゃる方は、感じていらっしゃると思いますが、みかんの能力を引き出せれば、品質はおのずと上がります。
糖度10度以下のみかんは論外ですが、早生のマルチなしでも、糖度12度以上はそれほど難しいハードルではありません。 もちろん、高糖系品種、マルチやその他の技術を組み合わせれば13ー14度を目指せます。
そして、もっとも大切なことは糖度以上に、うま味があることです。甘さと深み、これがみかんには大切なように思います。いくつでも食べたくなるみかんを目指しましょう。
また、外見上美味しそうに見える、ということも大切です。つまり、着色、紅色が強く出るような栽培をしなければなりません。
このように、みかんの本来の能力を引き出し、最低でも販売単価は平均100円以上を確保し、ぜひ目標は@150ー200円/kgを目指したいものです。
5トン×@150円=75万円/10a 以上が、みかん経営の目標です。もちろん上級者は、10a100万円を目指してほしいですね!
近年では、天候不順と市場価格の低迷に影響され、みかん栽培がますます難しくなってきています。生産者は高齢化し、後継者はほとんどいません。
しかし、うまいみかんを連年結果できれば、みかんほど面白い農業品目はないかもしれません。みかんには、まだまだ「夢」があると思います。
このシリーズでは、みかん栽培のコツを解説するとともに、サンビオティック農業技術をどのように取り入れ、取り組んでいけば、目標を達成できるのか、と具体的に考えてみたいと思います。
ぜひ、みなさんの農業経営のプラスになれば幸いです。
また、みかんだけでなく、他の果樹でも応用可能ですので、ぜひお楽しみに!
では、まずは第一回:3ー4月の作業 をご覧ください。