2008年04月28日

じゃがいも(馬鈴薯)そうか病の総合防除を考える

じゃがいものそうか病 北海道、鹿児島、長崎県の農家にとって、 悩みの種であるジャガイモのそうか病に関する科学的分析と栽培の注意を、個人的備忘記録と農家さんのための参考情報として、 記載しておきたいと思う。

 じゃがいものそうか病 総合防除について考える

 そうか病の発生を引き起こすといわれている病原菌(Streptomyces属放線菌)は、 ジペプチド植物毒素サクストミンAという物質を生産し、じゃがいもがその物質に対し抵抗するためにかさぶた(コルク)状の組織を発生させ、 それがそうか病と呼ばれる。最近は、このサクストミンAに対し耐性を持つじゃがいもの品種(ユキラシャ、スタークイーン、北育7号など) が開発されているが、そうか病の発生メカニズムも、品種以外での防除方法についても、まだまだ研究段階である。

 しかしすでに分かっていることがあるので、下記にまとめてみたい。

そうか病防除1:土壌phを5.0以下(酸性)にすること

 そうか病は、土壌phが5.0-5.2に下がると(酸性に傾くと)、顕著に発生が抑制される。4.8以下であれば、 ほとんど発生しない。これは、土壌phと交換性陽イオンの量(特にカルシウムや水溶性アルミニウム)に相関関係があるからと言われている。 そうか病を予防するには、難しいことを考えずに、土壌phを下げることを考えるべきである。焼酎かすや有機酸、木酢などの酸性資材の投入も、経済性を無視すれば有望だ。ただし、 酸性になりすぎると肥料吸収が阻害され、収量が下がるのでそのさじ加減が難しい。

 そのために、硫安(硫酸アンモニウム)など土壌酸性化の肥料を、種芋付近ではなく、畝溝に施用する方法などもよいとされる。リン酸化成肥料は、アルミニウムと結合するので、少ないほうが良いとされるが、リン酸がしっかりと吸収されればそうか病になりにくい、という報告もある。(サンビオティック資材「鈴成(すずなり)」のリン酸は、その点で有利である。)また、 堆肥の重要なポイントだ。未熟堆肥やバーク堆肥などC/ N比の高い堆肥の施用は、避けるべきである。じゃがいもには、C/N比20以下の堆肥を必ず選択し、 また少なくとも、植え付けの1ヶ月前までには混和する必要がある。(C/N比の高い堆肥は、窒素飢餓を引き起こし、 土壌中のアンモニア態窒素が不足し土壌phが下がらないため。また、バーク堆肥などキレート作用の強い堆肥は、アルミニウムを固定化し、 活性を下げるため)

そうか病防除2:種いもの選別・消毒

 当たり前だが、種いもがそうか病にかかっている場合、 そうか病の発生率は著しく高く、蔓延を引き起こすので注意したい。目視でそうか病の種いもを除外し、 マンゼブ剤などで粉衣消毒することが重要である。消毒後、そうか病菌に耐性及び拮抗作用を持つ菌を種いもに処理することで、 効果が上がることも多く報告されている。

そうか病防除3:輪作と植え付け

 北海道でのそうか病の病原菌は、主にStreptomyces scabiesと、 S.turgidiscabiesの2種類といわれている。病原菌は、種いもによる伝染と土壌伝染をする。そうか病は、 輪作によって減らすことができ、輪作年限が長いほど、またマメ類(ダイズ、ヘアリーベッチなど)の作付け頻度が高いほどよい。また、 エンバク野生種やアルファルファなども輪作体系に組み込むと良い。小麦やテンサイ、ソバなどは、輪作作物としては劣るようだが、 収穫後に十分な窒素源を補給し、残渣を分解させれば大きな問題はないと思われる。

 また、植え付け時期を遅らすことで、そうか病の発生が1/10になるという研究報告もあるので、 植え付け時期をすこし遅らせることが有効な場合も考えられます。

そうか病防除:微生物防除の可能性

 そうか病の病原菌に対し、拮抗性を持つといわれる微生物がいくつか研究されている。トリコデルマなどの糸状菌、枯草菌、酵母の仲間が多いようだ。近い将来は、特定の微生物での、 生物的防除も十分な実用性と経済性をもつことになる。おそらくその処理方法は、種いも処理が合理的だろう。

 しかし、そもそも土壌微生物相を豊かにすることを目指すことは当然のことである。 土壌消毒による偏った微生物相、また貧困な有機物施用による微生物の絶対的不足。 それがそうか病や単一の土壌病害菌の増殖を招いていることは、明白である。様々な微生物が活躍し、お互いに牽制しあっている環境では、 そうか病菌も増殖を抑えられる。これが本来的な生物的防除である。

by いくた

2008年04月24日

収入が変わります!ビワ栽培農家は、知らねば損!ですよ。

2Lサイズのビワが鈴成 サンビオティックファーマーでご紹介したビワの全国的な指導者であり、 生産者でもある有馬会長のサンビオティックビワが今までに見たこともない素晴らしい生育で、 周囲の農家さんや農協の担当者を驚かせています。

 左は、今収穫中の有馬会長のビワです。ビワ農家の方なら、この素晴らしさが分かるかと思います。まるまると太ったビワ。 ビワは大きいほど高く売れますが、今年の有馬会長のビワは、Lサイズ以上の割合が、なんと93%(2L:37%、L:56%、M7%) もありました!一般の農家さんはLサイズ以上は、40%程度で、良くても60%といいますから、 これは驚異的な記録です!

 しかも、よく見てください。一本の果梗枝から5つつも大きな実がなっています。通常は3つくらいで、5つつもならせると、 大きくならないか、枝が折れてしまうそうです。サンビオティック栽培では、太い枝がでてくるので、 大玉のビワが5つなっても耐えられるということです。

大玉ビワでパック詰めもらくらく

 先日、有馬会長をお伺いしたところ、奥様もニコニコして迎えてくれました。効いてみると、 大玉だったので販売もかなり良くなったようですが、パック詰めがラクになって良いことばかり、と喜んでいました。

 このビワは、茂木種系の長崎早生という一般的な品種で、特に大玉になる傾向が強いわけではありません。 経済連の担当課長に聞いたところ、栽培技術で大玉になったわけではなく、 この肥料のおかげだろう、との見解でした。サンビオティックの力が証明された、というわけですね。

 使用したサンビオティック資材は、菌力アップ糖力アップ鈴成です。菌力アップは、 土壌微生物相を改善し、土壌環境を良くするので発根促進の効果があります。菌力アップで根が働くと、糖力アップの強力なアミノ酸、鈴成 (すずなり)のリン酸とカルシウムをどんどん吸収するので、これほどの素晴らしい生育と収獲ができるようになるのです。

ビワの新芽 素晴らしいビワがなっていますが、そのそばからまた次の新梢が力強く上がってきています。 サンビオティック栽培の特徴の一つは、年を重ねるごとに木が元気になり、生育が良くなります。 収穫中にもかかわらず、 これだけ美しい力強い葉が展開してくるのですから、今から来年が楽しみですね。

 以前ご紹介したサンビオティック栽培を今年から実践されている近くの農家さんも、 なんと今年はLサイズ以上が大半だそうです。昨年まで、Mサイズより大きいビワがならないと嘆いていましたので、本当に良かったですね!

 サンビオティック栽培は、全国のビワ栽培農家さんには、ぜひ教えてあげたい技術です。ここまでくると、知らねば損!ですよね。 有馬会長のサンビオティックビワ栽培マニュアルを知りたい方は、こちらまでご連絡ください。

byなかはら

2008年03月25日

ゴーヤー栽培ネコブセンチュウ 産学共同研究が日本農業新聞に掲載されました!

日本農業新聞3月25日 ← クリックすると大きく見れます。

  日本農業新聞に、弊社と鹿児島大学、 鹿児島経済連とのゴーヤー栽培のネコブセンチュウ対策の共同研究についての成果報告会の模様が日本農業新聞3月25日付けの朝刊に掲載されました。 下記に全文をご紹介します。

ゴーヤー増収へ有効

微生物資材を科学的検証

[鹿児島]微生物を使ったゴーヤーの安定生産を目指して、2007年8月から続けられてきた産学協同研究で、 微生物資材の有効性が収量増で裏付けられた。鹿児島大学農学部で開かれた最終検討会で報告され、関係者は 「今後も同資材の使用方法など研究を重ね一層の収量アップを図りたい」としている。微生物資材はすでに多く市販されているが、 今回は公的機関による科学的検証を試みた。同大農学部土壌科学研究室のほかJA県経済連、JAあいら、 長崎の農業資材メーカーエイビーエスの4者が参加した。

 ゴーヤーはネコブセンチュウ害を受けやすいことから、同社の微生物資材「菌力アップ」による生産安定のメカニズム解明が目的。

 牧園町の生産者5人の連作地で、慣行区と微生物資材を投入した実証区を比較。結果、全ての実証区で収量が増え、 平均10アール当たり216キロだった。

 同研究室の境雅夫准教授は「現段階で増収効果のメカニズムは特定できない」と断った上で、 「資材が植物の健全な生育や抵抗力を向上させた可能性が高い」とみている。

 経済連野菜振興課の押領司祐一さんは「研究は有意義だっただけに、 これで終わらせず今後は資材の使用基準や農薬との併用方法など詳しく探り、効果的な使い方を確立したい」と語っている。

2008年03月24日

鹿児島のブランド化をめざす「ゴーヤー」の生産安定産学協同研究成果検討会 平成20年3月18日

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 鹿児島のブランド化をめざす「ゴーヤー」の生産安定という目標を弊社のサンビオティック資材で取り組むことになったのが平成19年の8月であった。経済連、農協の農家の窮状をなんとかせねばという熱意に鹿児島大学農学部が呼応してくれました。

 プロジェクトのメンバーは、鹿児島大学農学部境準教授を中心に経済連野菜振興課のO専門調査役がプロジェクトの始めから終わりまで細心の進行役を担当。

 

 JA姶良からは、熱血営農指導を展開されるN課長、ひとたびハウスに入れば鋭い眼差しで問題点をチェックしていく。農家のためなら喧嘩も辞さない薩摩隼人の典型。N課長の補佐役は経験豊富なU係長。黙々と定点でのネコブセンチュウの調査のための土壌を採取したり農家の試験の進行を現場で滞りなく進めてくれました。また、試験の最終時点でゴーヤーの根系調査にも御苦労されました。

 今回のプロジェクトでは農家サイドからは鹿児島県ゴーヤー栽培部会専門委員長のO氏が試験農家のおひとりとして参加されたことも大きな意義がありました。試験設計のとうりにきっちりと実施していただき5農家平均で一割増収という結果の中で卓越した栽培技術と併せて弊社資材でA品で3割増収の結果も出されました。

 更に特筆すべきは、県農業改良普及所のご協力もいただいた事です。有害、無害センチュウの測定等大変なご苦労をおかけいたしました。
 産地のブランド化を目指す試験ということで身の引きしまる思いもいたしましたが、早いもので、3月18日に最終の試験結果のとりまとめが鹿児島大学農学部会議室で行われました。

 開会にあたり境準教授の挨拶があり試験結果の発表がありました。
 試験結果は当ブログで紹介しているような良い結果が得られ普及に移せるとの結論を得ました。
 連作障害を含むネコブセンチュウ害に悩む鹿児島のゴーヤ産地にとって、今回の試験の最大の収穫はネコブセンチュウはいてもいい。いても増収できるという道すじが見つけ出せたということはとても大きな意義があるのではと感じています。

 今回の試験で、当事者としてのコメントが色々ありましたので一部紹介いたします。

●鹿児島経済連としてまた公的な機関が微生物資材をとりあげるのは初めてだしとても有意義な試験。
●ネコブセンチュウに対して従来の土壌消毒剤の使用は必要。土壌消毒剤の効果には限度があり、ある一定期間を過ぎた場合のネコブセンチュウの抑制は難しい。代替資材として何らかの資材と組み合わせが必要で、今回の微生物資材使用でセンチュウがいても増収できるという結果は有意義。

●今回の試験農家全員で増収効果が認められこんなにも有意の結果の出せる試験も珍しい。

●今回のJA姶良の収量のデーター取りは試験区と対照区を分け詳細なデーターが選果場で出されている。N課長、U課長の能力とご苦労によるところが大きく、農協の現場指導や普及所の指導データーとしても貴重なものになっている。

●今回、データーにはでてきませんが農家様のコメントとして以下のものがあります。
   1.試験区はうどんこ病の発生が極端に少ない。
   2.試験区の根が太く、勢いが強い。 草勢が強い。

最後に、当社代表の生田より、今回プロジェクトチームのメンバーに人材を得て、より良い試験結果がでましたので産地の問題の解決に弊社資材がお役にたてればとの挨拶があり、会を締めくくりました。

さあ、これから産地のお役に立つべく、よりよい結果をださねばならない厳しい普及がはじまりますが、「泣こかい、飛ぼかい」 「泣こよかひっとべ」の精神の鹿児島です。皆様と協力して産地が少しでも前進すればとの気概でやれば必ずや結果はついてくるものと確信しています。

「チェスト行け、鹿児島ブランドゴーヤー」 DSCF1280

マスコミの取材もあり、新進気鋭の南日本新聞のT記者、日本農業新聞のF記者も盛んに独自の観点からのご質問をなされていました。

2008年03月19日

南日本新聞3月19日朝刊 産学共同研究の記事全文

鹿県経済連と鹿大 ゴーヤー協同研究検討会

南日本新聞記事3月19日微生物資材で収量1割増

安定生産へ一定の成果報告
 JA鹿児島県経済連や鹿児島大学農学部などがゴーヤー(にがうり)の安定生産を目指す産学協同研究の成果検討会が十八日、 鹿児島市の鹿大農学部であった。微生物資材を使うことで収量が一割増えるなど、一定の成果が得られたことが報告された。

 同研究は、土壌害虫・ネコブセンチュウの被害など連作障害による生産性低下が深刻なゴーヤー生産安定が目的。県経済連と鹿大、 JAあいら、農業資材メーカーのエイビーエス(長崎県西海市)が二〇〇七年八月から実施している。

 同社の微生物資材と有機物資材を使い、霧島市牧園地区の五生産者がハウス十八アールで試験栽培したほか、 鹿大で同資材によるネコブセンチュウの被害抑制効果を調べた。

 試験の結果、微生物資材を投入したハウスは、使わなかったハウスに比べ14%収量が多く、 十アールあたりでは平均二百十六キロの差が出た。十万円程度の増収になるという。しかし、 資材によるセンチュウ抑制効果には差が見られなかった。

 担当した鹿大農学部土壌科学研究室の境雅夫准教授は、「収量が増えたのは資材によりゴーヤー自体が元気になり、 抵抗力が高まったからでは」と推測。栽培に当たった田中清美県農協ゴーヤー専門委員長は「五日おきに潅水するのは手間がかかる。 省力化が普及のカギ」と注文した。

 県経済連やJAあいらは今後、土壌消毒と微生物資材を併用しながら効果的な施用方法を確立したい考えだ。県経済連野菜振興課は 「微生物資材を有効に活用し、ゴーヤーの安定生産を図りたい。」としている。

 鹿児島県二〇〇四年ゴーヤーの収穫量は、四千七百六十四トンで全国三位。しかし近年、 県内の施設栽培でネコブセンチュウによる被害など連作障害が深刻化している。

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(注記)
・上記「センチュウ抑制効果」とは、自活性センチュウと寄生性センチュウの絶対数、割合などについての検出試験を行ったことを指しています。 今回の試験では、寄生性センチュウが大きく減っている圃場もあれば、増えている圃場もあったりと、有意義なデータが得られませんでした。 しかし、掘りあげた根にはコブが付いていなかったりと、植物そのものの抵抗力の向上や根圏微生物への影響が示唆される試験内容でした。

 

2008年03月13日

きんかん春姫の玉太り試験

キンカンの圃場 キンカンの青苔

 きんかんといえば、宮崎の東国原知事が宣伝しているたまたまが人気を博していますが鹿児島ブランドのきんかん「春姫」も、 人気があるきんかんの逸品です。

 今回、びわの鹿児島県の指導者である有馬会長からの紹介で、きんかんの玉太りをさらによくする
試験を開始しました。試験をしてくださる農家様も県のきんかん栽培指導の要職にある方です。

 サンビオティック資材を使用した果樹の玉太りは、他の柑橘やびわで実績がありますのでとても楽しみな試験です。 試験園の根の状態を拝見しますと、上根がよく張っていてさすがに日頃のご精進の程がよくわかります。

 収穫が終わったばかりの園は剪定もすんで、さぁ、樹勢回復のスタートです。上根の張った園に、醗酵有機肥料リン酸、カルシウム、 マグネシウムの入った鈴成をまいてもらいます。ビニールをはいだハウスに雨がふれば、さっととけるリン酸、カルシウム、 マグネシウムと各種ミネラルがたっぷりと根に届けられます。雨がふればきんかんの樹も喜ぶことでしょう。

 更にもうちょっときんかんの樹をよろこばせるつもりです。発根力に優れた菌力アップアミノ酸、プロリン、 ミネラルたっぷりの糖力アップを添えて、10日に一回潅水で流してあげるのです。きっと白いきれいな根が新しく増えてきます。

 発根にこだわるサンビオティック農業の確実な発根システムです。 今回の試験園の樹はよく手入れがされて根が張っているにもかかわらず、樹の幹に青ごけがついています。 サンビオティック資材を使用していれば、1年後には青ごけがとれ若木のようなきれいな幹になります。このことはまた、 写真で報告したいと思っています。

 はちきれるような弾力の皮に包まれた、甘くジューシーな大玉キンカンがとれることを目標に、時々経過を報告しますね。

 ひたむきな農業指導者の産地を向上させる情熱と行動力には感動します。そして、 サンビオティック農業資材が少しでもお役にたつならこれも私たちの喜びであり生甲斐でもあります。

by なかはら