佐賀県で、生姜の栽培に取り組むWさん。
ここ数年は、根茎腐敗病や青枯病、疫病、などに悩まされてきました。
生姜と言えば、連作障害である根茎腐敗病や青枯病、疫病は、とても厄介です。土壌消毒をしても、病原菌を種から持ち込む場合もあり、土作りの良し悪しが、栽培に直結する作物ですね。
そこで、サンビオティック農業資材の菌力アップを利用した、土ごと発酵で善玉微生物を増やし、再度生姜栽培に取り組んでみることになりました。
まず、Wさんは土壌消毒後に、米ぬか200kg、五穀堆肥30袋/10a程度と菌力アップを10リットル/10aを希釈して全面散布しました。
作業時間としては、ものの1時間もあればできる作業です。
これから、トラクターで混和して整地していきます。作業はとても簡単ですね。
さあ、このひと手間が、どれくらいの効果を生むのか。私たちもとても興味のある実験です。
それから、一週間ほどたったころWさんからお電話がありました。
「大変なんですよ。畑が真っ白なんです!」
「ああ、それは大丈夫ですよ。放線菌でしょう。」
早速見に行くと、なるほど土の表面に白い粉のようなものが吹いています。
アップでみるとこれ。
わかりますか??
白い粉のようなものが、土の表面に出ていますね?
そう、これが放線菌たちです。植物の健全な生育にとって、欠かせない善玉微生物。
一週間で、これほどまでに放線菌たちが増えてくれました。
土壌病害を考えるとき、これだけ善玉微生物を増やすということはとても大切なことです。微生物の世界には、人口密度と同じように、菌密度というものがあります。菌密度がMAXまで高まっている畑は、仮に何らかの原因で病原菌を畑に持ち込んでも、病原菌が蔓延しにくいんですね。
「この畑は期待できる!」直感的にそう感じました。
そして、3カ月たったころ(6月中旬)、そろそろいい結果が出ているかと思って、また圃場をお伺いしました。その時の写真がこれです。
ご覧ください。素晴らしい生育。
やはり、と言っていいでしょう。病気一つありません。
Wさんが驚いたのは、その生育スピードだそうです。
この畑、実は植え付けが近隣の農家さんより20日も遅れてしまったそうです。
挽回できるかな、、、と不安に思っていたところ、なんとすでに近隣の農家さんの10日先を進んでいるということでした。
とにかく、葉の展開スピードが早く、他の農家さんより2〜3節展開しています。茎もしっかりとしているということです。
こちらは、さらに10日後の6月下旬の写真です。
Tポイントカードの宣伝ではありません(笑)
この生姜は、大生姜ですので、太い茎がしっかりと立ち上がれば成功です。Tポイントカードの黄色のライン(2cm)と同じくらいの、しっかりした茎が立ちあがっていますね。
試し掘りが待ち遠しいので、すこし見てしまいました。(笑)
すでに一片の厚みが5cm以上はあるような肥大状況。うん、これなら収量アップは間違いありません。
Wさんも、ほっとした表情で
「この前も試しに掘ってみたんですよ。そうしたら、根の張り方が尋常じゃないんですよ。こんなのは初めてですね。これなら絶対大丈夫と思いましたよ」と、にこやかに笑われました。
これから、暑い夏を乗り越えて、無事に収穫まで頑張ってほしいものです!
Wさんの生姜たち、がんばれー!!^^
by 大塚