全国的な西瓜のブランド産地、山形県の尾花沢市。
尾花沢市は、夏スイカ日本一を掲げている産地です。寒暖の差がある気候風土はスイカの生産に最適で、生産量も味も日本一と言われています。
尾花沢すいか
http://www.city.obanazawa.yamagata.jp/3131.html
そんな、尾花沢ですいかの栽培を始めたOさまから、スイカが届きました。
O様は、サンビオティックに興味を持ち、昨年コーソゴールドを使用したところ味や肥大が非常に良かったので、今年は全面的にサンビオティック栽培にチャレンジしてみることにしたんです。
作付前に、土作りのレシピをお送りし、栽培方法について、いろいろと話し合いました。
新しい技術にチャレンジするときの不安とドキドキは、楽しいものですね。
それからしばらくたち、20日ほど前にお電話がありました。
「生田さん!ほんとにすごいんですよ!こんなに良く育ったのは初めてですよ!」
O様とても興奮気味です。
「しかも、4個ならせてるんですけど、本当に大きいんですよ。いますでに3Lサイズですよ!割れるんじゃないかと心配してます。」
実はO様との作付前の話で、普通は1株から2玉とる2果どりをするところ、4果どりを目指してしてみようという話になりました。
まず、こういう常識を逸脱した発想をする方はあまりいません。やっぱり常に上を目指している方は違います。
問題は、肥大するかどうかです。通常の2倍の負担を、株に与えるわけですから、普通に考えると小さくなってしまうはずです。
しかし、私もスイカの肥大には、ひそかな自信がありました。
「チャレンジしてみましょうよ!出来るかもしれません!」
で、でかい!!
O様がいうには、一番小さいので3Lサイズ(8kg?9kg)で、ほとんどが4L、5Lだったそうです。そして、当初目標の4果どりも成功したそうです。
なんと、一株に4玉も成らせておきながら、ほとんどが10kg前後の超大玉だったということです!!
この大きさなのに、果肉がびっしり詰まってる!4L、5Lでも空洞果はほとんどないのです。
チッソを効かしたり、水を上げて肥大させるのは簡単です。でも、そういうスイカは、中が空いた空洞果になりやすいんですね。
それでは、なんの価値もありません。
これだけ実がしっかり詰まっていれば、食味もいいし、重量もあります。
そして、肝心のお味は・・・・
甘みも、そして素晴らしい抜群のシャリ感、溢れてくるジュースは、もう絶品です!
(いずれも、糖度は13度以上でした)
計算してみると4果どりで、10aになんと700個以上、7ー8トンものスイカを収穫したことになります。
信じられません。まさに、これは農業革命!
実は、このスイカの収穫前、私はすごく心配していました。
それは、山形が過去に記録のないほどの豪雨に襲われ、甚大な被害に見舞われていたからです。
<山形県南陽市>豪雨被害額20億円、吉野川の氾濫が大きな影響<現地画像>
その心配をよそに、「無事収穫したので、スイカを送ります」とのお電話にほっとしたのでした。
O様は、お電話で面白い事を言っていました。
「サンビオティックでやったところは、生長がものすごく早いんですよ。ふつう着果から42日くらいで収穫なんですけどね、実際これは30日で収穫しちゃったんですよ。」
驚きの連続ですね。スイカも、着荷負担があったので、能力のすべてを振り絞って光合成をしたのかもしれません。
そして、実はO様とはさらなるチャレンジを続行することを、いま電話で確認しました。
それは、そのまま2番果を成らせてみるということです。
通常、山形ではスイカは1回どり。つまり1番果だけを収穫して、2番果は収穫しません。正確に言うと、収穫しないのではなく、出来ないのです。
樹勢の問題(つまり肥大しない)と、時期の問題(味、品質が良くない)があるからです。
そこを、サンビオティックでどうにか解決して、2番果までしっかり収穫したいともくろんでいるのです。
これから1カ月後が、また楽しみです。
しっかりとした土作りと、愛情のこもった日々の栽培管理がなせる技。
まだまだ農業に革命は起こせる、そんな確信を持ちながら、美味しくスイカを頂きました。
スイカ農家の皆さん、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
使用資材
・有機百倍
・鈴成
by いくた