フロー剤(クロピクフロー)処理の土づくりの考え方

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農薬による土壌消毒を実施されているかたは大変多いと思いますが、最近増えてきているフロー剤を使用する場合の、土づくりの考え方についてお問い合わせがありましたので、ここで解説したいと思います。

 

クロピクフロー(クロルピクリンフロー剤)を使用する場合は、堆肥や肥料を混和、畝立て、マルチ被覆まで行い、フロー剤を流すという手順となります。

 

ここで問題となるのは、畝内や10ー20cm深の土壌生物を皆殺しにしてしまうことです。良い微生物も悪い微生物も、センチュウやミミズなどのほぼすべての生き物が死にます。

このことはつまり、動物性有機物が大量に元肥に施用されるのと同じ事が起こるということです。

 

土壌バイオマス(生物量)は、10aあたり微生物だけで70ー100kg、センチュウやミミズ、昆虫などの微小動物を含めると、150ー200kgにも及ぶと言われます。

これだけの量の生物死骸=有機肥料が、元肥として入れられるのと同じことですから、初期チッソが効きすぎることは、すぐにわかる話です。ちなみにチッソ量として、5kg/10a程度がこのバイオマスから発現すると言われています。

ですから、フロー剤を使用する場合は、常に徒長するリスクを頭に入れて土づくりを考えなければなりません

そこで、考え方ですが
1.初期チッソの発現期間を待って(1ー2カ月程度)、植付する。
2.元肥で施用するチッソ量を減らす、またはゼロにする。
3.初期窒素が発現しにくい土づくりを実施する。
の2パターンとなります。

1番は時間がもったいない。2番はそのままですが、収量減とコストアップ(液肥のコスト)につながります。

ですから、お勧めの方法は3番です。

初期窒素が発現しにくい土づくりを実施する。

収量および品質を考えるなら、施用チッソ量を減らしたくないですからね。

 

この考え方は、ある意味「チッソ飢餓」の現象を利用する方法です。

「チッソ飢餓」とは、炭素率の高い有機物を大量に施用すると、土壌中のチッソが微生物に吸収されてしまい、植物がチッソ飢餓状態になることです。

この現象を利用すると良いでしょう。やり方は簡単です。
もみ殻または裁断ワラを200kg/10a程度、堆肥や元肥と一緒にすき込むだけです。

もしひと手間ができるのであれば、あらかじめ堆肥と混和して1ー2週間ほど置いておくとさらに良いですね。


これで、土中に入ったワラやもみ殻が余分なチッソを植物に吸わせない方向に働きますので、徒長しにくくなり、イチゴやトマト、ナス、ピーマンなどがしっかり花芽を着けてくれるようになります。

ちなみに、その後ワラやもみ殻が分解されてしまうと、今度は吸収したチッソが徐々に植物に吸われ始めますので、ちょうど良い生育を実現することになります。

あと、もちろん、土壌病害菌を増やさないためにも、フロー処理後から菌力アップを施用することは忘れないでください。

特に、土壌消毒後には「硝化菌」という植物生育にとって、もっとも重要な微生物がほとんど死滅しています。そのため、アンモニアがあふれてしまい、アンモニアガス障害や亜硝酸ガス障害が発生しやすくなっています。また、微生物や硝酸が不足しているために、カルシウム欠乏やマグネシウム欠乏も大変発生しやすくなってしまいます。

そのため、優良な微生物(硝化菌を含む)を含む菌力アップを、土壌消毒後に必ず施用することが重要なポイントとなります


本当に、微生物の働きを理解することは、土づくりと栽培管理に重要ですね。ではまた。


(こちらの記事もぜひご参考にしてください)

フロー剤(クロルピクリン)による土壌消毒後の徒長防止

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このページは、管理者が2015年12月23日 18:47に書いたブログ記事です。

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