今年の天候は、生産者の皆さんは本当に頭を抱えてしまう方が多いようです。
長崎できゅうりを栽培されていらっしゃるHさんも、その一人です。
微生物や糖発酵液を自在に使いこなし、腕には自信のあるHさんですが、今年の天候には首をかしげました。
「こがんおかしかとは初めてよ・・・(こんなに変なのは初めてだよ・・・)」と、電話をかけて来られました。
畑をのぞいてみると、確かにHさんの畑がこんなに不調なのは見たことがありません。
まわりの農家さんが、きゅうりがなっていない時期にもバリバリ収穫していた、あの雄姿はどこへ、、、という感じです。
これがその時の写真です。
クリックしてよくご覧ください。
葉はスカスカと枚数が少なく、なんとも寂しい感じです。
使い慣れた酵素資材もやっているのですが、なかなか効果がないようです。
逆光ですこし見えにくいと思いますが、この写真のような状態で、かわいそうになってきました。
例年なら、もうどんどん収穫をしているころですが、小づる、孫づるがほとんど出ておらず、下葉からまるで枯れ上がったかのようです。
まさに徒長型。原因は、例年にない日照不足と高温です。
炭酸同化ができず炭水化物を作り出せない事、そして作り出せても、夜温が高く、その分を消費してしまっているため、樹勢が衰えてしまったのだと思われました。
そのため、ほとんどの実が、このように花が咲いた後に、落ちてしまうのでした。典型的な日照不足の症状です。
9月24日。
この時点で、ほとんど収穫はゼロ。これまでにない異常な事態です。
「Hさん、これはすぐに対処した方がいいと思いますよ。バランスが戻れば回復するかもしれません。
普通なら10月下旬ごろからやるんですけど、今から糖力アップをテストしてみませんか?」
菌力アップには、とても大きな信頼を寄せているHさんですが、糖力アップの方は、まだあまり魅力を感じていないようでした。
でも、まずはやってみるしかないのです。
「そうやね、じゃあすぐ送ってみて!!」とHさん。早速テストしてみることになりました。
感心するのはHさんの判断と行動の早さです。届いた糖力アップ、菌力アップをすぐに潅水しました。どちらも反当5リットルです。
そして、花芽促進のため、コーソゴールドを葉面散布しました。
そしてHさんから、電話があったのはわずか数日後です。
「(あの糖力アップは)よかごたるよ、見にこんね。」
それからHさんの畑にお伺いできたのは、潅水してからまだ1週間後のことです。
畑に入るなり、思わず「わーーー!」と声が出てしまいました。
たった10日前の畑とは、見違えるほどの生育にビックリです。
まるで葉の枚数が3倍くらいになっている感じがします。
まだ、べと病などの痕跡が残りますが、明らかに生長点は勢いを取り戻し、葉が生き生きとしてきました。
Hさんが喜んでいたのは、この写真です。
菌力アップ、糖力アップを潅水してからすぐに、小づる、孫づるが一斉に出てきたというのです。
ご覧の通り、花が元気よく咲き、すでにキュウリが何本も成り始めています。
もちろんこの間、天候不順が続き、屋音も下がらず、気象条件は、ほとんど変わりません。
あのとき、菌力アップと糖力アップを潅水していなかったら、これほどまでに状況が改善したとは考えられません。
たった一回の潅水でこれほど変わるとは、、、Hさんの表情にも驚きと、なんとか行けそうだと安堵の表情が見えました。
「大塚さん、またやりたかけん(やりたいから)、菌力と糖力持ってきて!!」
多くを語りませんが、Hさんは新しい武器を手に入れたような、満面の笑顔で追加注文してくださいました。
私自身も、天候不順の時こそ、改めて植物の様子を見て、的確に対応をする大切さと、菌力と糖力のパワーを思い知った一日になりました。
みなさんも、どうぞお試しくださいね。
by 大塚