いよいよ玉ねぎの植付けのシーズンになってきましたね。
昨年、べと病などの被害で苦労した方が多い中、好成績を出したサンビオティックファーマーの方々は、今年も張り切っています。
佐賀県で玉ねぎを長年栽培されているKさんもその一人です。
昨年は、初めて菌力アップをテストして、「確かに発根がよかですね」と好感触を得たKさんは、今年は土づくり、苗作りから菌力アップを導入しています。
「サンビオティックさんは、どういう土づくりば勧めてますか?」
Kさんの土作りに対する真摯な態度に応えようと、私たちも気を抜けません。
「Kさん、やっぱり有機物と微生物ですよ。田んぼのワラを全量と堆肥をまいて、菌力アップを散布して、すき込んでください。」
そうです。天候不順が続く近年の環境の中でしっかりとした玉ねぎを育てるのに、最も重要なポイントの一つは、何といっても土作りです。
そして、土づくりと行っても、つまるところ土壌の排水性であり、団粒化であると言っても言い過ぎではありません。
そのために、ワラや堆肥を好気性微生物(菌力アップ10リットル)と一緒にすき込み、その後数回空気を入れるように耕すことで、1カ月の間に一気に団粒化を進めます。
そんなお話をしてから、数か月たちました。
Kさんから連絡があり、はやくも苗を取っていると聞いたので、早速お伺いしました。
「わああ、みごとな苗ですね!!」
「そうですか?
周りの農家は、今年は4割くらい苗がダメになったって言ってますよ。ひどい状況ですよ。うちは、おかげで良かったですよ。」
とニッコリと笑顔を見せられました。
見てください。芝生のように生えそろった玉ねぎの苗は、本当に見事な景色です。
(品種は、手前がレクスター。奥がターザンです。)
今年の夏は、高温多湿。玉ねぎの栽培にとっては、非常に条件が悪い環境となってしまいました。近隣の多くの農家さんが、生育不良に悩んでいる状況です。
そんななか、Kさんの苗は、一本一本が生き生きとしていて、根量も豊富です。下葉の枯れもなく、茎がしっかり太っています。
「あれ!土がフッカフカじゃないですか!」
思わず大きな声を出してしまいました。
天候不順の中、理想的な苗を作った秘訣は、やっぱりこれだったんですね。
「播種してからも、菌力アップを2回ぐらいやったけんですかね、土の柔らかかとですよ。根もよう張っとるです。」
写真ではちょっとわかりづらいですが、小さな団粒がとても多く、雨が多かったにもかかわらず、土がさらさらした感じです。
「苗とりも楽なんですよ。土が柔らかいんで、ボソボソ苗がとれますから。はっは。」と、苗を取っているおばちゃんが、嬉しそうに話してくれました。
「おかげでね、今年は初めて、近所の人が、うちの苗を見て褒めてくれるんですよ。
なんばしたとね?(何をしたの?)、ってよく聞かれますよ。」
と、まじめなKさんも照れくさそうに笑っています。
「特別なことは何もしとらんとですよ。ただ、言われた通り、有機物と菌力アップで土づくりばしただけですけん。」
慣行栽培+サンビオティックでこんなにも、違うものですね。
いよいよ畑も準備OKです。
もちろん、菌力アップと有機物の組み合わせで、土はふかふかです。
苗半作と言いますから、これからが楽しみですね。
天候不順が続く中、儲かる農業の秘訣は何と言っても土作りです。
でもそこには、しっかりした技術と根拠、資材の品質が重要なんですね。
誰でもできる簡単なプロセスの中に、技術を詰め込んだ私たちサンビオティック農業が、ますます注目される理由です。
ぜひ皆さまも、ご参考になさってくださいね。
by おおつか