今年の夏も暑かったですね。特に近年は残暑厳しく、人間も作物も、まいってしまいそうです。
今回はそんな高温の中、鹿児島県で絶好調のピーマン栽培をされているAさんの事例をご紹介します。

実はAさんは、今年7月に行った講習会に参加された中のお一人です。
「よし、今年は菌力アップで、良かピーマンば作らんば!」と、やる気に燃えてらっしゃいました。
9月に入るとAさんから、連絡がありました。
「よかったら、1回見に来てくれんですか?」
早速、畑に伺ったのは9月10日でした。
この写真がその時の様子です。
最初から菌力アップを使っているということです。
まぁ、普通のピーマン畑だな。。。という印象でしたが、続して菌力アップを潅水していただくようにお願いしました。
それから、1ヶ月程たったころでしょうか、Aさんからお電話がありました。
「なぁんか良かごたっとですよ!見に来られませんか?」
長崎から鹿児島まで片道5時間です。でも、やはり気になります。あれから1カ月ちょっと。さて、どうなっているのでしょう??
何とか都合を付けて行ってみると、そこには、すっかり見違えるように生長したピーマンが目に入りました。
「わぁ!いいですね!」
生き生きと活力に満ちたピーマンが育っていて、こちらまで元気になりそうです。
ハウスの中は、なんとも懐かしいような、土のいい香りがします。
「あれ、これ何ですか?」
私は畝にある白っぽいものを指さしました。
よく見ると、畑のあちこちに”白いもの”があるのです。。。もしかして・・・?
「いやー、菌力アップば潅水しよったところが白くなったとですよ。」
と、Aさん。近づいてみると、土の表面に白い菌がびっしり!まるで石灰をふったかのようです。
確認してみると、Aさんは週に1回、菌力アップ200倍を手潅水して継続してくれていたようです。
そして、そのちょうど手潅水していた場所に、放線菌の菌糸が目に見えるほど真っ白に発生していたのです。
ご存知のように放線菌は、「森の土」を作る立役者です。強力に有機物を分解し有用物質を作り、土を団粒化したり、悪い病原菌の繁殖を抑えたり、根の働きを高めたりと、土の中で大活躍する善玉菌なのです。
土作りを大切にする農家さんほど放線菌を増やすため、カニガラをまいたり、キトサンをやったりと、お金と労力をかけてさまざまな努力をしています。
ところが、Aさんの畑では、菌力アップを潅水しただけで、その放線菌がびっしりと増えたんですね。 菌力アップのパワーと繁殖力が良くわかる現象です。
こうやって地表面にも見えるくらいですから、土の中には本当に無数の微生物が繁殖し、植物の生育を支えていることと思います。
「これならもう安心ですね。」と声をかけると、
「大塚さん、また1週間後に来てもらえんですか?ピーマンのざくざく獲れよるところば、見せたかとですよ。」
Aさんはご機嫌に話してくださいました。
そして、11月1日。あれから10日くらい経ったときに、見に行ってみることにしました。
ハウスに入るなり、
「いやー、素晴らしかですね!!」と思わず声が出ます。
写真をご覧ください。
新芽の勢いが良く、葉っぱもツヤツヤ、テカテカとしています。しっかりと根を張り、光合成が高まっている証拠です。
見るからに健康そうで、キレイな緑のグラデーションにうっとりしました。
「今年は高温の影響か分からんですけど、みんな調子の悪かごたるですね。よその畑にいったら、全然なってないですよ。お陰様で、うちは絶好調ですけどね!はははー」
Aさんの笑い声が、とても嬉しく感じました。
放線菌の力は偉大です。初めて菌力アップをお使い頂いた畑でも、しっかりと結果を出してくれました。天候不順にも強い作物を育てるため、こういう畑づくり、土づくりをしないといけないという、とても素晴らしいモデル園になりましたね。
今年は高温や曇天など天候不良のため、野菜の相場は高く、もちろんピーマンも例外ではありません。
「この調子でいけば、部会でもトップば狙えると思いますよ!」と、Aさんは満面の笑顔で話してくれました。農業が楽しいというのは、こういう時ですよね。
「Aさん、まだまだ行けますよ。コーソゴールドもやってみてください。」
そんな話をしながら、私も笑顔で帰りました。
今回のご訪問も、仕事冥利に尽きる、鹿児島3連チャンでした。きつかったけど、喜んでもらえて嬉しいですね。
農業は土づくり。さあ、みなさんも、ぜひお試しくださいね。
by おおつか